福島県庁、3月末での避難者切り捨てを断行の姿勢

福島県庁が示し、日本政府が認めた、原発事故被害者の切り捨てまで、あと一週間になってしまいました。たとえ福島県庁や日本政府が「避難者はゼロになった」と言おうとも、私たちの「避難の権利」は無くなりません。避難者の存在を消すことはできません。


3月22日、福島県交渉、記者会見、報告会、県庁前スタンディングが行われました。今回、本会からは都合がつく人がいなかったために、参加者を出せませんでした。
以下、ひだんれんの事務局、大河原さんの報告を転載します。
福島県交渉には、幹事の皆さんに加えて、生業訴訟原告団から2名、各訴訟団などから5名、避難の協同センター、山崎誠衆議院議員の16名で臨みました。
福島県側は生活拠点課、避難者支援課、避難地域復興課のいつもの主幹、副課長クラスが対応しました。
以下、昨日の報告をします。
民間賃貸住宅家賃補助世帯に対する聞き取りや相談への対応も不十分、国家公務員宿舎には、移転できない世帯が71世帯残っていても、緊急要請に対する県の回答はゼロ回答で、民賃補助制度の打ち切りと、国家公務員宿舎の継続はしないことを明言し、継続の場合の2倍家賃については、2倍家賃とならないよう努力するという回答でした。
私たちの要請からはあまりにもかけ離れたものでした。
3月31日で打ち切りの実態がどうなったのかを確認し、新たな施策を求めるため、4月当初に再度の県交渉を要求して終了しました。
尚、山崎議員はこの交渉結果をもとに、来週26日に復興庁と会い、4月以降の対応を確認、責任ある対応を求めるそうです。
国家公務員住宅については退去できない皆さんと4月からの新しい契約を結ぶこと、民間賃貸住宅の家賃補助についても把握している実態を明らかにする事、その上で補助打ち切りが可能かどうかを再検討するように訴えるとのことです。<緊急要請に対する県の回答>
1.民間賃貸住宅入居者に対する家賃補助を2019年度も継続すること
回答:継続は難しい。家賃補助は終了するが個別的支援は続ける。
2.セーフティネット契約について財務省と協議し、国家公務員住宅から退去できない避難者に対する継続入居を保障し、「2倍家賃」の請求はしないこと
回答:2年間の経過措置として行ってきたので継続はしない。家賃は県と使用者の契約に基づいて請求する。
3.避難指示解除区域、帰還困難区域からの避難者の意向・生活実態把握を速やかに行い、避難当事者との協議の下で住宅と、健康で安全な生活の安定を確保すること
回答:避難指示区域、帰還困難区域の意向調査を取りまとめたものを、3月26日の夕方までには県のホームページに掲載する。
<ひだんれん、避難の協同センター、山崎議員の発言と県の回答>
(ひ=ひだんれん、避難の協同センター 山=山崎議員)
1 民賃補助について
ひ: 民賃補助対象世帯を訪問するとしていたが、相談件数は?
県: 対象世帯は、2046世帯から1800世帯に減った。(帰還や住宅の購入など)
相談件数は247件で、経済的支援に関するもの28件、安い物件を61件、家族、近隣関係59件、手続きの仕方など請求関係99件
ひ: 相談を受けた後、問題解決につながっているのか?
県: 全国支援拠点につないで対応を行っている。
→問題解決するまでの対応をしなければ、相談支援とは言えない。
ひ:1800件のデータを県は持っているはずだから開示すべき。
→ 県からの回答なし。*ひだんれんとしてデータの開示を求める。
山:行政の手当てが不十分だから、対応できない人が残ってしまった。避難者のせいではない。施策の失敗を避難者の責任にするな。
ひ: 移転のための初期費用10万円補助の締め切りを3月10日にしたが、なぜ、3月10日なのか?移転の意志のある人には期限を決めずに補助すべき。
県: 移転初期費用補助は6か月前から周知していたので、締め切りの延長はしない。
山:一度の募集で締め切るのではなく、3月10日を一次締め切りとして、2次、3次の締切を設けるべき

2 国家公務員宿舎の2倍請求に関して
ひ: 次の移転先が決まらない世帯は?
県: 71世帯。
山:3月14日の震災復興特別委員会で復興庁の答弁は、残り2週間で福島県と協力して全ての避難者の皆さんの生活再建を実現する、4月以降に避難者が残されることは想定していない、仮定の話にはお答えできないと逃げたが、移転先が決まらない世帯は相変わらず71世帯。あと1週間で全員転居できないのは明らか。2倍家賃の請求はすべきではない。

県: 2倍家賃が発生しないように努力する。
ひ: 2倍家賃を発生させないために、財務省へ契約延長を求めてほしい。
県: 財務省に延長の要請はしない。
ひ: この2年間で収入が増えた人がどれだけいるのか、収入の実態をつかんでいるのか?
ひ: 移転先としての都営住宅に応募できない人、当選できない人がいる。それはこの2年間で都営住宅の収入要件や世帯要件が変わらなかったからだ。個人の責任ではどうにもならないことだ。
ひ: 精神や身体の病気を抱えて移転できない人に2倍請求できるのか?不法占拠だとするのか?それではますます追い込むことになる。
県: 繰り返しになるが、国家公務員宿舎セーフティネット契約書には、この制度は2年間で終了し、契約終了後も継続する場合は2倍の家賃を請求するとなっている。
ひ: その制度が実態に合っていないのだから見直すべきだ。
ひ: 3月31日でどうなったかを、4月初めの時点で知りたい。
山: 避難住宅の問題は3月で終わりになるわけではない。新たな対応を4月から始めなければならない。
3 避難指示解除区域、帰還困難区域からの避難者の意向・生活実態把握について
ひ:意向調査がホームページに載るということだが、調査だけではなく、避難当事者と県、各自治体が話し合いをする場を設けて、当事者の声を聴き施策に反映してほしい。

以上(引用終了)ひだんれんの皆さん、避難の協同センターの皆さん、山崎議員、ありがとうございました。