第1回政府交渉のお知らせ

2016年3月9日、政府と交渉をします!

「避難の権利」を求める全国避難者の会 としての、初めての対外活動となります。

 原発事故発生後、5回目の3月11日が近づいてまいりました。

 本年2月24日に、新潟県庁の粘り強い調査で、「2011年3月14日には東京電力福島第一原子力発電所事故でメルトダウンが判明していたにもかかわらず、同年5月になるまで公表していなかったこと」が判明しました。
 また、東京電力の元幹部3人が国民の声によって、ようやく刑事起訴されましたが、原発事故発生の責任に限定しても、この3人だけの責任であるとは、到底思えません。
 このことが示すように原発事故に関しては、事故発生時の経緯もその後の東京電力や政府の対応についても、分からないことが多数放置されています。

 他方、私たち避難者に対して、政府は昨年7月、2017年3月までで避難指示の大半を解除し、福島県からの区域外避難者(いわゆる「自主避難者」)に対する住宅支援も打ち切る、という方針を閣議決定しました。

 また、日本政府は「避難者を定義しない」ことで避難者数の把握を放棄することも、社民党福島みずほ議員の質問主意書に回答する形で閣議決定しました。
 これは、私たち避難者を「存在しないもの」として扱おうとするかのような、容認できない決定です。

 本会は昨年10月29日に設立したばかりの組織ですが、このような政府の姿勢を見過ごすことはできず、異議申し立ても含めて、下記の様に第1回の政府交渉を実施することになりました。

当日は、避難当事者、支援者の方々共に、特に申込みなく参加可能です。どうぞ、足をお運び下さい。
ただし、今回の政府交渉の趣旨と要望内容、質問内容をご理解の上で参加下さるよう、お願いします。

内容を下記に記します。

日      時: 3月9日(水)12~14時
場      所: 参議院議院会館B109
内      容: 添付の要望書(案)と質問書を事前提出し、回答を求めます。
         要望書(本文)は当日に配布します。
出席予定省庁:内閣府防災担当、内閣府被災者支援チーム、復興庁、環境省、原子力規制委員会、

要望項目
1. 福島県による現行の住宅支援打ち切り方針を撤回するよう、国として働きかけること (内閣府防災担当)
2. 改めて、国の責任による避難者住宅保障策を、原発事故子ども・被災者支援法等に基づき実施すること(復興庁)
3. 少なくとも、年間1ミリシーベルト以上の被曝の可能性のある地域の住民には、避難を権利として認め、
    医療・保養等の必要な具体的保障施策を行うこと(内閣府支援チーム←経産省控室)

質問書

提出する「自主避難者への住宅支援打ち切り撤回と新たな住宅保障策を求める要望書」への回答に加えて、以下の項目について質問するのでご回答いただきたい。

① 日本政府は、今回の福島原発事故が人災であったとの認識を持っているか。持っているならば、それはどのような意味での人災であり、
 政府としての責任をどう考えているのか。(復興庁)

② 「避難者」をどのように定義し、自主避難者も含めた避難の全体像の実態把握はどうなっているか。また、その記録の所在はどうなって
 いるか。更に要援護者の避難の実態をどう把握しているか。(復興庁)

③ 昨年改定された原発事故子ども・被災者支援法基本方針で、支援対象地域は『新たに避難する状況にない』としたが、これはどのような
 根拠で、いかなるプロセスで決められたのか。また、その記録の所在はどうなっているか。この認識には、避難者も含む被災当事者(自治
 体ではなく)の認識はどう反映されているか。また、原発事故汚染による、「人権としての避難の権利」についての認識はあるか。
 (復興庁。)

④ 原子炉の燃料棒があるべき場所にないことが、昨年のミューオン測定で明らかになった。その知見を含めて、事故によって環境中に放出
 された放射性物質の核種と量を再度推計する再試算はどうなっているか。無いのであればなぜ再計算しないのか。(復興庁・規制委)

⑤ 追加被曝線量年1~20ミリシーベルトの環境に生活している住民に、健康影響が出ないとする科学的根拠はなにか。チェルノブイリ原発
 事故被害の知見を踏まえた科学的根拠を示せ。(復興庁・規制委・環境省)

⑥ 除染廃棄物の保存、移動、処理について、当初の計画が完全に破綻している。現段階の除染廃棄物に関する具体的で達成可能な計画はどうなっているか。(復興庁・環境省)

以上

以下に、word版の要望書、質問書を添付します。参考にどうぞ。
自主避難者への住宅支援打ち切り撤回と新たな住宅保障策を求める要望書(訂正版)

第1回政府交渉質問書