第1回政府交渉の記録 その7

回答⓺への追究
 環境省への質問だが、先ほどの回答には数字(いつ、元の状態に戻せるのか・量など)が一切なかったので、数字を入れて答えてほしい。また、福島県内で各家庭の敷地内に「保管」されている除染廃棄物をどうするのかも答えてほしい。

回答(環境省):工程表を作って推進するように努力している。各家庭の敷地内に置かれているものについても、全て中間貯蔵施設に運び込む予定で、細かい方法や時期については、各市町村と打ち合わせながら進めていく。

追究:それでは、事故前の状況に戻す事は出来ない。事故前の状況に戻したところで、「安全になったから帰還」という順序で話すべきなのに、燃料棒だった物質がどうなっているかわからない状況で帰還、というのはあり得ない。「復興創生期間」などというのは、勝手に政府が決めた政治的な日程で、燃料棒だった物質はそんな政治的日程とは関係なく存在し、動く。政府には、その核物質を制御することなどできていない。

中手共同代表:時間の割り振りが上手くできずに、大分時間を超過した。(この時点で、予定終了時間を30分超過)しかし、私たちにとっては、どの問題も優先順位を付けることができないほど、重要な問題ばかりだ。もとより、1回の話し合いで決着がつくと思っていなかったので、勝手に「第1回政府交渉」と「第1回」と付けさせてもらったが、今後もこのような話し合いに(政府側も)協力してほしい。
ただ、それでも、今日中にこれだけは、ということがあれば、そこだけはもう少しお付き合いください。

FoEjapan満田さん:低線量被曝の害に関する新しい論文は、次々と大量に出されている。(政府側は)それを読まないようにしているのだと思うが、後で論文のリストを渡すので、参考にしてほしい。チェルノブイリ原発事故に関する健康影響も「平均何mSv」というものだったが、ウクライナとベラルーシの公式報告書をきちんと読めば、どれだけの線量でこれだけの被害というものが、もっと詳しく出ているので、きちんと読んでほしい。かたくなに事故の影響を否定するのではなく、他の人や団体からの意見も参考にしてほしい。当然のことを確認するが、被曝に関しては、しきい値なしの線形モデル(被曝はごくわずかなものであっても健康に影響があり、被曝量の増加に比例して健康影響が増加する、という考え方)が世界で唯一の考え方だし、広島・長崎の長期観察の結果もそれを裏付けるものになっている。「100mSv以下の被曝でがんリスクの増加は見られない」というのは間違いだ。低線量被曝に関する研究や論文は、この2年間だけでも、かなりの数が出されている。リストを送るので、是非目を通してほしい。