2016年11月8日 4団体 政府交渉記録 その20

(承前)
内閣府防災担当高相:福島県からの説明は、先程も申し上げた通り、避難元の市町村における災害公営住宅の整備や面整備の事業、そういう生活環境が整ってきていることから、応急仮設住宅の供与を終了する、そういう協議に基づき、また先程復興庁さんからもお話があったように、福島県独自の新たな支援策が、仮設住宅終了後の方々にあるというお話もあるので、そういうことを含めて同意をしたものでございます。

中手:高相さん、やっとちゃんと答えてくれてありがとうございます。でも中身ちょっとちがいますよ。十分環境が整った、避難者がみんな帰るなり、次の住宅が見つかったなり、誰一人次に不安を持っていないというんだったら、整ったとおっしゃっていいですよ。先程来の質問でも重ねている通り、このまま我々何もしないで進んでしまったら、災害救助法に基づく住宅の供与がなくなってしまって、しかも穴だらけの福島県の呼ぶところの新たな「支援策」から零れ落ちて、本当に住宅に困る人がいっぱい出るんですよ。この状態を整ったとどうやって判断したんですか。例えば、私の友達にも一人いますよ。雇用促進住宅に住んでいて、年金暮らしで、障害を持っている方ですが、むやみに引っ越しなんてできない。どこでもいいってわけではない。今のところだから暮らしていけるんだ。ところが福島県の新たな補助金など受けられない。年金生活だと雇用促進住宅と契約が結べないんです。どうなるんだって、この間福島県から来た担当者に聞きましたよ。そしたら、「それはURに言ってくださいよ。我々ではどうしようもない。」と言うんですよ。こういう人がいっぱい出るんです。それをどうやって環境が整ったと判断したんですか、その判断を改めてくださいと言っているんです。一例に過ぎないんですよ、今の話なんかは。

会場:(拍手)

村田:今の話しですけどね、公営住宅の整備が整ったとか、面的な整備が整った、それはそれで一つの条件が整ったと思います。ただ原発事故の最大の問題は放射能汚染の問題なんですよね。今、避難者の人達の最大の関心はそこにある訳ですよ。それを全く抜きにして面的状況が整った、公営住宅の整備が整った、というだけでね、やめろというのは誰が納得出来ますか? 福島県の方はですね、「放射線に対する不安」、これを避難の継続の要件として認めろというふうにこの間、明確に要項で出しておられるんですよ。そこが最大の問題だというのは誰でもわかっているわけじゃないですか? いままで解除したところでも若い人、こどもが帰ってないという現実がそれを示してるではないですか? どうしてその最も重要な要件を抜きにして同意するんですか? その辺の見解を聞かせてください。

司会:じゃあ、このご回答をいただいたら次の質問にいきますのでご回答お願いします。

内閣府防災担当高相:もう、繰り返しで申し訳ございませんけれども、福島県からは、災害公営整備や面整備事業などが みなさまの避難元の市町村においては整ってきているということでご協議をいただいております。その上で我々が同意したということでございます。
(続く)