2016年11月8日 4団体 政府交渉記録 その9
(承前)
要望1 ⑤放射性物質の回収量
司会:はい。それでは、⑤,⑥と関連の項目が続きますので、また、そちらのほうでご質問があればというところで、続けさせていただきます。「⑤番、国直轄の除染事業で回収した放射性物質の量(ベクレル)と保管状況を示されたい。」
環境省在原:環境省の除染事業では、回収した除去土壌等をですね、フレコンバッグに詰めて保管しているというのは先ほどお話しにあった通りですけれども、そのフレコンバッグのですね、表面線量率を測定することで管理をしておりますので、ベクレルの量等いわれましても、なかなか今のですね、報告の内容等もショウチョウ(?)しておりませんので、なかなか申し上げることはできないんですけれども、表面線量率で管理をしている状況でございまして、その他は仮置き場の空間線量モニタリングで安全を確認するという、そういった措置をとっております。
司会:はい、では鴨下さん。
鴨下:鴨下です。除染というのは泥を動かしてください、という話ではなくて、放射性物質を取り除いてください、ということなんです。これ、泥の量の問題ではなくて放射性物質の量です。これ、ベクレルで示さないと、何をやっているか全くわからない状況なんですね。そんないい加減な方法なんですか?
司会:お願い致します。
環境省在原:除染の目的というのはですね、先ほども申し上げたように、そこに生活する方々の被ばく線量を低減させるということを目標にしておりますので、当然被ばく線量率ですから、空間線量率で把握をすることになっております。規制庁さんの事業とはやっている事業の目的が異なるものと承知しております。
司会:はい、どうぞ続けて
鴨下:それはおかしなことだと思います。そして、あとそれから、そもそもそれを溜め込んでいるわけですよね。そこにどれだけの放射性物質が溜め込まれているかという事を環境省は把握されていない、ということなんですね。
司会:どうでしょうか。
環境省在原:何度も申し上げますが、環境省のやっている除染事業の目的は線量を低減させることでございますので、当然安全管理も線量で行っておりまして、そちらで安全を確認しているものでございます。
鴨下:空間線量では定量的な放射性物質の管理はできません。
環境省在原:目的が違うというお話しかできないと思うんですけれども、放射性物質を集めて管理する、というよりもですね、生活している
方々の被ばく線量を低減させるということを目的に事業を実施しているもの、というふうにご理解をいただければと思います。
鴨下:環境省には危険な放射性物質を集めて管理しているという感覚がないんですか?
環境省在原:集めた放射性物質というか除去土壌等除染廃棄物とか、集めた土壌については仮置き場で適切に保管をしておりまして、その安全につきましてはフレコン毎の線量の確認もしておりますし、仮置き場の空間放射線量等も確認しておりまして、そちらで問題がないことを確認しております。
鴨下:やはり空間線量にこだわっているようですけれども、安全性も空間線量で確認されているということでしたが、周辺に例えばフレコンバッグが先ほどもあったように傷ついて飛び散っている事例があるわけですね。すでに密閉されていないという状態。そのようなものの周辺にどれだけのベクレル数の土壌が舞い散っているかということも空間線量ではみていてもベクレルでは測っていないという事でよろしいですか?
環境省在原:フレコン一体毎の除去土壌等の濃度を測っているものではございませんが、先ほどから申し上げておりますように、空間線量等の周辺環境のモニタリングは実施しておりまして、そこで影響のない値であることは確認しております。
司会:ちょっと、こちらのほうからご質問が上がりましたので
武藤:現在、環境の中に飛び散った放射性物質というのは、そもそもがですね、五重の壁の中に閉じ込められていたものなんですよね。その放射性物質が飛び散っているわけですから、それなりのきちんとした管理を私達はしてほしいと思います。本来だったら黄色いドラム缶に詰められて厳重管理をされているものが、今私たちの暮らしの中にある、というそのことを是非認識してほしいなと思っています。
会場:そうだ!(拍手)
環境省在原:仮置き場でのですね、除去土壌の保管の長期化していることにつきましては、仮置き場の周辺住民の方をはじめ、ご迷惑をおかけしていることについて、まずは申し訳ないという気持ちは環境省としても持っておりまして、先ほど申し上げましたように、例えば中間貯蔵施設ですとかですね、そういったところで早期搬出については今後も引き続き努力はしていきたいと思っております。安全管理につきましては、先ほども申し上げたように確認しているという事でご理解をいただければと思いますので、よろしくお願い致します。
司会:はい、ご質問を続けたいところなんですけれども、次の項目の中でまた質問していただければと思います。すいません。
(続く)